緩斜面でテールプレス。何度やってもノーズが浮かない。浮いても一瞬で、あとは尻もち。板が硬いのかもしれないと思って、ショップでやわらかい板を曲げてみたりする。

でも原因は、もっと手前にあります。

プレスがうまくいかないとき、ほとんどの人は「ノーズを上げよう」としています。腕を後ろに引いたり、前足を引き上げたり。それで浮くこともあるけど、すぐ落ちる。数秒ももたない。

上げるんじゃなくて、後ろ足の上に乗り移る。変えるのはここだけです。

板は、後ろ足の真上に体重が乗った時点で勝手に傾きます。テコなので、支点に重さが集まれば反対側は浮く。だから持ち上げる動作はいらない。むしろ腕や上半身を使うと重心が板の外に出て、そのまま尻もちになります。

私も最初のころはずっとこれでした。緩斜面の端で何十本もやって、浮くのは一瞬、あとは尻もち。ノーズが上がらないのは筋力が足りないからだと思っていたので、前足を引き上げる練習ばかりしていました。

変わったのは、腕を使うのをやめてからです。後ろ足の上に体を移すだけにしたら、力を入れていないのにノーズが上がった。あれだけ繰り返しても駄目だったものが、立つ位置を変えただけで決まる。拍子抜けしました。

もうひとつ、意外と効くのがスピードです。

怖いからとゆっくり行く人が多いんですが、遅すぎると板が安定しません。自転車で徐行するとふらつくのと同じで、ある程度進んでいたほうが立っていられる。止まる寸前より、少し速いくらいがちょうどいい。

【何秒キープするかは、後でいい】

最初から長く粘ろうとすると、姿勢を作ることより耐えることに意識がいきます。

1秒でいいので、正しい位置に乗って、静かに戻す。これを繰り返すほうが、結局は長く乗れるようになる。ノーズが数センチ浮いただけでも、乗れていれば正解です。

プレスは地味だし、決まっても派手じゃない。ただ、板の上のどこに立つと何が起きるかを体で覚えられる技なので、ここを通っておくと後がだいぶ楽になります。